校内研究

1 研究主題・・・「主体的に学ぶ子どもの育成」 

~学びのつながりを意識した授業づくり~

2 主題設定の理由

 

今年度より、宮内中学校区では、共通主題として「主体的に学ぶ子どもの育成」を掲げ、変化の激しい社会において、自ら課題に向き合い解決していける子どもを目指し、研究を深めていくことになった。本校の学校教育目標は「未来を生きぬくたくましい鍾秀っ子の育成」であり、めざす子ども像には「自ら学ぶ子ども」を掲げている。「自立した人間の基礎」として、自ら学びに向かう力の育成は必須である。共通主題に基づき、学校教育目標の達成に向けて、日々の授業を通して自ら学び続ける力を育み、確かな学力をつけることが必要であると考える。

本校は、昨年度まで「主体的に学びを深める子どもの育成」を主題として研究を進めてきた。昨年度は、「課題設定」「学びのつなぎ」「表現活動」の視点に焦点を当てて研究を行ってきた。成果として、既習事項を授業で生かしたり単元のつながりを意識したりしながら、主体的に学習に向かう力の成長が見られた。また、表現活動に関して「書く」「話す」について成長を自覚できている児童が多い。一方で、初めにもった意欲を継続させること、課題解決に向けて自分の考えをもって学習することに課題が見られた。

そこで、今年度は、授業や単元を通して課題意識をもち続け、粘り強く思考・活動し、自分の力で課題を解決することができる児童の姿を目指していく。そのために、「学びのつながりを意識した授業づくり」を副主題とし、児童が意欲・思考をつなぐための「課題設定」「指導過程の工夫」、自分とつながりで学びの価値が実感できる「振り返り」に焦点を当てて研究を進めていくこととした。

 〇主題「主体的」について

受け身ではなく、自らの意思で考え、表現しようとすること。学ぶことに興味や関心を持ち、自ら課題を捉え、見通しをもってねばり強く取り組む態度。

〇副主題「学びのつながり」とは

〈児童側〉

思考のつながり・・・学習のめあてを意識しながら思考や活動を続ける。課題解決に向けて見通しをもちながら、自分なりの考えをもって学習する。

意欲のつながり・・・単元や45分の授業内で課題意識を持ち続けたり、新たな課題を見つけたりする。困難な課題に対しても粘り強く続ける。

自分とのつながり・・・振り返りを通して自己の学び(学び方)の変容を自覚する。学んだことをこれまでの学習や生活と関連づけて捉え、学びの価値を実感する。

〈教師側〉

思考をつなげる・・・児童が本時の課題やめあてを具体的に意識できるようにする。

こうすればできそうだ、〇〇していけば□□になりそうだ、と子どもに見通しをもたせ、安心して学習に取り組めるようにする。既習事項や単元間のつながりを意識して教材研究を行う。

意欲をつなげる・・・「出会い」で学習意欲を引き出し、子どもの実態にあう課題を設定する。

自力解決ができる支援を行い、成功体験を重ねる。

自分とつなげる・・・振り返りの目的や視点を明確にして、振り返りを行えるようにする。

振り返りの経験を積み重ね、質の向上が図られるようにする。

 〇サブテーマにかかわって

『考える』…出された問題の答えがどうなるのか見当をつける。解き方がどうなるのか考える。わかっていることとわからないことを整理する。問題場面・場面の様子を想像する等を表す。

『表現する』…答えを求める方法を自分の言葉で書く・話す。本時のまとめをする。振り返る 等

『探究する』…学んだことをもとにさらに調べる。類似問題に徹底的に取り組む。新たな視点で課題を見付け解決に向かう。

3 研究の視点

(1)意欲・思考をつなげるために

①課題設定の工夫

②指導過程の工夫

(2)自分とつなげるために

振り返りの工夫

4 研究の方法

(1) 日常における授業実践

・学習指導部と連携し、学習規律や学習環境の充実を図る。

・相手を思いやり互いに認め合える学級づくりを基盤として、授業実践を積み上げる。

・授業研究を通して明らかになったことを確認し合い、日常の授業に取り入れ実践していく。

 

(2) 授業研究会・事前研究会・事後研究会

<授業研究会>

・一人1授業を行い、子どもに力をつけるための実践的な研究をめざす。

宮中校区研究組織の教科部会で属している教科を、研究教科とする。

・全校研は、1回に1~2授業、年間4回実施し(1回は市教研)、計7授業を全員が参観する。授業者は学年から一人を年度初めに選定する。

・特別支援学級は、研究主題と関わらせながら、独自の形式で研究を進める。

・全体研では可能な限り指導主事・外部講師を招聘する。

・学年部研については、原則として当該学年部で授業を参観することとするが、指導案は全職員に配布する。当該学年部以外の教員も努めて参観し、授業を参観しての感想や意見を授業者に伝えるようにする。

自分の所属する教科部会に関わって、必ず1回以上他校の授業参観に参加する。

・授業者は、児童のイニシャルが入った座席表を準備し教室入口に置いておく。

・授業写真や板書の記録は当該学年部で分担して行う。

<事前研究会>

・発達段階に応じた学びのつながりや系統性を考え、研究授業前に当該学年部で事前研究会を設け、授業構想や指導案について研究の視点に沿って話し合う。

・事前研については学年部の研究推進委員を中心に調整し行う。必要によって複数回重ね、授業者を支援する体制を整える。

校区の教科部会の部員にはメールやオンラインを活用したり、集合型の指導案検討を行ったりして事前の共有を図る。